2025年、10月ひとつの朗報が社内に届きました。
日経BP社による「日経BP ガバメントテクノロジー 2025 年秋号 自治体IT システム満足度調査 2025-2026 の情報共有ソフト/サービス部門」において、トラストバンクが顧客満足度1位という評価を獲得しました。
私たちのサービスが多くの自治体職員の皆さんにとって、単なる「便利なツール」ではなく、日々の業務に不可欠な「信頼できるパートナー」として受け入れられていることの、1つの証左と言えるでしょう。
しかし、私たちはこの「満足度No.1」※という評価に安住することなく、この評価を、これまで以上に真摯に、そして謙虚に自治体の皆様と向き合うための、新たなスタートラインだと捉えています。コロナ禍を経て、全国の自治体でDXが進む中、なぜLoGoシリーズは選ばれ続けるのか。その評価の裏側には、どのような想いと哲学があるのか。
その答えを探るため、私たちは最前線で自治体の皆様と向き合い続けるカスタマーサクセスのメンバー、後藤さんに話を聞きました。彼女の語り口から紡ぎ出されたのは、効率や利便性だけを追い求めない、自治体の「伴走者」としての信念の物語でした。
後藤 まなつ(ごとう まなつ)
福岡県福岡市 出身
早稲田大学社会科学部を卒業後、人材サービス企業で医師・薬剤師専門の転職エージェントを経験。
2023年にトラストバンク パブリテック事業部に参画。主に自治体向け電子申請サービス「LoGoフォーム」のカスタマーサクセスを担当。
現在も利用自治体向けのカスタマーサクセス・サポートを軸に、新規自治体向けの営業、パートナーセールス、契約事務、事業部採用担当といった幅広い業務に従事。
「当たり前のツール」になった世界の、その先へ
「私が入社した2年前も、LoGoチャットはすでに多くの自治体様に導入されていました。それ以前は皆さんの認知としては『トラストバンクといえば、ふるさとチョイスの会社』というイメージが強かったと聞いています。それはパートナーである販売代理店の皆様も、そして自治体の皆さんも同様でした。」
そう当時を振り返る後藤さんは、入社以来カスタマーサクセスとして、誰よりも自治体の皆さんに近い場所で、その変化の中を走り続けてきました。この数年で、自治体におけるLoGoシリーズの立ち位置は、大きなな変化を遂げたと言います。
「今では、展示会などで私たちのブースに『LoGo』という文字が掲げられているのを見るだけで、本当に多くの職員さんが自然と足を止め、『いつもお世話になっています』と、まるで旧知の仲のように笑顔で声をかけてくださるんです。それはもう、私たちにとって日常の、そして嬉しい光景になりました。かつては一つひとつ『LoGoチャットという、自治体専用に開発されたチャットツールがありまして…』とご説明していましたが、今や『LoGoです』の一言で伝わる。WordやExcelと同じような立ち位置で、自然に肩を並べて、私たちのサービスがそこに認知されている。LoGoシリーズが業務に欠かせない“当たり前のツール”として、皆様の中に浸透していることを肌で感じるんです。」
この変化は、単に導入数という数字の拡大だけがもたらしたものではありません。1,500を超える自治体との日々の地道なコミュニケーションの中で、一つひとつの課題に真摯に向き合い、信頼を紡ぎ上げてきたからこその結果です。
信頼関係の礎は、「スピード感」
後藤さんの現在の主な役割は、カスタマーサクセスとして既存のサービス導入自治体をサポートしながら、パートナーである販売代理店の皆様と連携し、新たな自治体へサービスを届けるための施策を企画・実行することです。その関わりは自治体職員さんとパートナー、双方に及びますが、「体感としては、7:3くらいの割合で自治体さんと直接関わる機会の方が多いかもしれません」とのこと。
日々、数多くの自治体職員さんと接する中で、後藤さんが何よりも大切にしている、仕事の“信条”とも言えるものは何なのでしょうか。
「何をおいても、第一に『スピード感』です。私たちが主にご連絡を取らせていただく情報担当部署の職員さんは、多忙を極めています。LoGoシリーズだけでなく、庁内のあらゆるシステムの管理を一手に担い、セキュリティインシデントに対応し、他の職員さんからのPCに関するあらゆる相談を受け、時には広報のような役割まで兼務されている方もいらっしゃいました。そんな中でいただくお問い合わせやご相談は、業務がそこで止まってしまっているという悲鳴に近いサインでもあると思います。そのお声に、いかに迅速に、的確にお応えできるか。『後回しにされている』と感じさせてしまうことなく、『すぐに対応してくれた』という小さな安心感を積み重ねていくこと。それが、信頼関係を築く上で重要なことだと確信しています。」
この生命線とも言えるスピード感の実現を、技術面と文化面の両方から強力に後押ししているのが、「LoGoチャット」の存在なのです。
LoGoチャットが築く、“いつも隣にいる”ような関係性
「私たち自身も、自治体さんとのやり取りのほとんどを、LoGoチャットで行っています。これが、驚くほどスムーズで、迅速な回答を可能にする、私たちの強みになっています。一般的に、他のシステムに関してメールで問い合わせをすると、担当者名もわからず、形式的な挨拶から始まり、CCには関係者がずらりと並び、返信に一週間待たされても誰も驚かない、というのが常識だと聞くこともあります。しかし、私たちはチャットを通じて、まるで隣のデスクの同僚に『ちょっといいですか?』と話しかけるような、人間的な温かみのある感覚で、リアルタイムに近いコミュニケーションを実現しています。」
この心理的な“近さ”が、単なる業務上の利便性を超えた、価値を生み出しています。メールでは躊躇してしまうようなスタンプや絵文字も、チャットならごく自然に、気持ちを乗せて活用できる。そのささやかなクッションが、無機質になりがちなシステムに関するやり取りを、どこか温かく、親しみやすいものへと変えていくのです。
「自治体職員さんも、私たちに対して変に構えることなく、お互いを思いやりつつも気軽にやり取りをしてくださいます。この心地よいコミュニケーションの積み重ねが、『トラストバンクの担当者』と『自治体職員』という壁を取り払い、『いつも一緒に仕事をしている仲間』という感覚を、自然に育んでくれているのかもしれません。結果として、些細なことでも気軽に相談できる関係性が生まれ、やり取りの回数も増え、より深く、強固な信頼へと繋がっているように感じます。」
1,500以上の自治体とチャットで繋がっている。それは、1,500以上の信頼のパイプラインが、今この瞬間も、日本のどこかで温かく脈打っているということかもしれません。
実績が信頼を呼び、口コミが輪を広げる
この強固な信頼のネットワークは、新たな出会いを引き寄せます。
「『隣の市が使っていて、業務が改善したと聞いたので、うちも検討したくて』『他の市町村からの調査依頼がLoGoフォームで届いて、あまりの簡単さに驚いて、すぐに連絡しました。』こうした“信頼できる口コミ”をきっかけにお問い合わせをいただくケースが、後を絶ちません。」
多くの自治体では、新しい取り組みを始める際に「前例」や「他自治体での実績」を重視する文化があります。前例がないことへの心理的なハードルは高く、それがDX推進の障壁となることも少なくありませんでした。しかし、LoGoシリーズが積み上げてきた導入実績は、そのハードルを乗り越えるための、追い風となっているのです。
確かな導入実績が次の信頼を呼び、利用者自身の声が新たな輪を広げていく。このポジティブで有機的な循環こそが、LoGoシリーズを行政インフラの1つとして押し上げた、原動力と言えるでしょう。
しかし、私たちが目指しているのは、単に便利なツールを全国津々浦々に広めることではありません。その先にある、より本質的な価値の提供です。後編では、後藤さんの心に今も鮮やかに刻まれているエピソードと共に、満足度No.1の核心に迫り、トラストバンクが描く未来の姿を紐解いていきます。
(後編へ続く)
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調査概要
調査名:日経BPガバメントテクノロジー 自治体ITシステム満足度調査
日経BP社発行「日経BPガバメントテクノロジー 2025年秋号」における
「自治体ITシステム満足度調査 2025-2026」の情報共有ソフト/サービス部門
調査内容:日経コンピュータ誌が企画・実施した「顧客満足度調査」(対象は民間企業を含む1万2787社・団体の情報システム部門)のうち、官公庁・自治体の計106団体からの回答を集計したもの(調査票発送数は1622団体)。調査の実務は日経BPコンサルティングが担当した。官公庁・自治体に限定した回答率は6.5%。調査期間は2025年4月1日から5月27日まで。郵送法で実施した。