2024.01.01

令和6年 新年のご挨拶 代表取締役 川村憲一

新年、明けましておめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大により続いていた行動制限が緩和され、国内外で人の動きが活発化しました。「コロナ禍以降初めて」という表現も聞かれ、人と人とがリアルコミュニケーションを取ることの重要性を改めて実感した1年ともなりました。
その一方で世界情勢は不安感を増しており、テクノロジーの進歩で国境のボーダーがなくなりつつあり、日本として国際社会にどのような役割を果たすべきなのか、官民問わず改めて考えさせられる年にもなりました。

ふるさと納税は、2008年の制度開始から17年目を迎えます。
この間、ふるさとチョイスは日本初のふるさと納税ポータルサイトとして2012年に始動してから、自治体や地域の事業者・生産者の皆様、およびふるさとチョイスをご利用いただいている寄付者の皆様とともにこの制度の拡大・普及をけん引してきたと自負しており、改めて皆様に感謝を申し上げます。

昨年末、ふるさとチョイスは「ふるさと納税を考えよう」と銘打った企画を立ち上げました。テレビCMや新聞一面広告等も使って展開し、SNSなどでは制度やポータルサイトに対して賛否両論含む多くの反響やご意見をいただきました。

この取り組みは、ふるさと納税のポジティブな側面を再評価し、その利点をより広く伝えることに繋げていきたいという想いから始まりました。
このタイミングの意思表明となったのは、ふるさと納税の利用者数が急増している現在、この制度の本来の価値と意義を改めて強調し、より多くの人々に理解してもらう絶好の機会だと捉えたためです。

ふるさと納税は多くのポジティブな効果を持つ制度です。
全国からの寄付を地域に届けるとともに、お礼の品提供を通じた地場産業の活性化を促すことができ、大きな経済波及効果を生み出しています。
それだけでなく、地場産品の魅力や、自治体からの情報発信を通じて、全国に関心人口や関係・交流人口の輪を広げることにもつながっています。

他方、寄付者にとっては、本来は税金として国や居住地に納めるお金を、好きな地域や誰かの応援に使えるという画期的な一面もあります。隣国・韓国では23年より、ふるさと納税制度に倣った寄付制度が新たに始まるなど、日本発の制度が他国でも評価されています。

私たちは「ふるさと納税はどう活用するかが大事だ」ということを繰り返し申し上げてきました。
あらゆる地域から、自治体職員の皆様や事業者・生産者の方々の創意工夫と情熱によって、制度を活用した新たなチャレンジと成果が生まれています。
「寄付金の使い道」も重要なポイントの一つです。そういった地域の皆様による取り組みに対してきちんとスポットライトが当たり、寄付者の皆様からの支持が得られて持続可能なものとなるよう、ふるさとチョイスは一層、使い道に関する情報発信を強化したいと考えています。
トラストバンクは本年も、手掛ける全ての事業において、チャレンジし続ける地域の皆様を全力でサポートしてまいります。

自治体の皆様がより地域のためのチャレンジに集中できるよう環境づくりを目指すパブリテック事業は、ビジネスチャット「LoGoチャット」が全国約1700自治体のうち、約8割となる1,361自治体にご利用いただいています。電子申請システム「LoGoフォーム」も順調に利用が拡大し、626自治体(いずれも2023年11月6日時点)がご活用くださっています。
また、昨年よりLoGoチャット上でChatGPTが活用できるサービスを提供。10月の本格提供開始時から既に41自治体(2023年11月14日時点)に導入いただき、業務における有用性や生産性向上の検証にお役立ていただいております。

昨秋には、全国の高品質な地場産品が買えるECサイト「めいぶつチョイス」をスタートしました。ふるさと納税以外のweb販路を持たない、ふるさとチョイスにお礼の品を掲載するおよそ半数の事業者・生産者が手塩にかけてつくりあげた逸品を取り揃えています。23年末の時点で8自治体および2つの金融機関と連携協定を結んでおり、事業者・生産者および自治体と三位一体となり、外部プロも交えて商品開発を通じて地域のブランド力をさらに向上させています。

地域に資源を送り、域内の循環を生み出すことを目指したさまざまな事業は、自治体や地域住民の皆様において新たな価値を生んでいます。地域内でのお金の流通を促す「地域通貨事業(chiica)」は自治体や地域住民のみならず観光客との交流も生み出すことで関係・交流人口の創出にも寄与しております。また、地産地消の再生可能エネルギーをふるさと納税のお礼の品として提供するエネルギー事業は気候変動が生じている現在にあってこれまで以上に注目を集めています。

コロナ禍で少子高齢化はますます加速し、昨年3月の厚生労働省の発表によれば推計より11年早く22年の出生数は80万人を割り込みました。政府も本腰を上げ、こども家庭庁が発足するなど社会全体で子どもを守り、育てていくことの重要性が再認識されています。
トラストバンクが昨年秋に実施したふるさと納税経験者に対するアンケートにおいても、寄付金を使って最も解決を期待したいテーマに「教育・子育て」が選ばれています。
将来にわたって持続する地域は、そこに活力ある人々がいるからこそ創られます。次の時代を担う子どもたち、若者の皆様、守り育てるご家族の皆様を支援することも、未来の日本・地域を創っていくのだと日々の事業を通じて実感しています。

本年も各事業を通じて地域経済の活性化に取り組み、各地域の皆様が守り育ててきた資源、産業、歴史・文化、コミュニティといった豊かさが次世代にまで引き継がれるよう尽力してまいります。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

令和6年1月1日 トラストバンク代表取締役 川村憲一

※事業部・肩書などは公開当時のものです

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