2025.09.16

岩手県盛岡市とふるさとチョイス、ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディング®で、盛岡市の歴史的建造物を守る、2つのプロジェクトを開始

~ 景観重要建造物「武田邸」と盛岡市指定有形文化財「原敬生家」を次世代に継承する ~

岩手県盛岡市(市長:内舘 茂、以下「盛岡市」)と国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」( https://www.furusato-tax.jp/ )を企画・運営する、株式会社トラストバンク(本社:東京都品川区、代表取締役社長兼CEO:大井 潤、以下「トラストバンク」)は、本日9月16日トラストバンクが提供する、ふるさと納税制度を通じてクラウドファンディング型で寄付を募る仕組み「ガバメントクラウドファンディング®」(以下「GCF®」)で、盛岡市が保有する歴史的建造物の維持・保存を目的とした2つのプロジェクトを開始します。募集期間は2025年9月16日~12月14日で、目標寄付金額は合計で1,530万円です。

■GCF®で寄付を募る背景
 盛岡市は、歴史と人々の暮らしによって紡がれた美しい景観を誇ります。しかし、景観重要建造物「武田邸」、そして盛岡市指定有形文化財「原敬生家」といった盛岡の歴史を伝える貴重な建造物の老朽化が進み、適切な維持・管理が必要になっています。
 これらの建造物は単なる建物ではなく、くらしの中で紡がれた「まちの記憶」そのものです。これらの建造物の修繕が滞れば、市民の関心が薄れ、やがては関係人口の減少やまちの活力の衰退につながりかねません。この大切な「まちの記憶」を守り、次世代に継承していくために、ふるさと納税型クラウドファンディング(GCF®)を活用することとしました。
 
■寄付金の使い道
プロジェクト① 武田邸の修繕
 大正期の風格を持つ景観重要建造物「武田邸」は、市民から寄贈された後、年に数回庭園が一般公開されています。しかし、経年劣化により屋根に雨漏りが生じ、現在は防水シートによる応急処置のままとなっています。また、市の保護庭園に指定されている池泉築山回遊式庭園も、ポンプに不具合が生じて以降水を溜められなかったり、樹木の繁茂が顕著になったりするなど、本来の美しさを失っています。ご寄付は、これらの修繕費用の一部として活用され、武田邸本来の美観を取り戻すために役立てられます。
 
プロジェクト② 原敬生家の茅葺屋根等修繕 
 盛岡市指定有形文化財「原敬生家」は、平民宰相・原敬が生まれ、15歳まで過ごした家です。その茅葺屋根は、先人の知恵が詰まった伝統的な屋根ですが、その維持には高度な技術と多額の費用が必要です。現在、東西南北すべての屋根が損傷しており、全面葺き替えには必要経費を含め約2,700万円が必要です。今回は特に緊急性の高い西側屋根の葺き替えを優先し、目標金額を700万円に設定しました。
 
 
■盛岡市都市整備部景観政策課長 三橋 一仁のコメント
「自分たちが決して見られない未来を、子どもたちは見ることができます。
 未来を生きる子どもたちのために、良いものを遺していく。
 私たちの使命は、そのようにして先人が私たちのために残した盛岡固有の景観を、資産として次代に引き継いでいくことです。
 しかし、暮らしから離れてしまった建造物を、そのままの形で残していくことは容易なことではありません。
 ですから、私たちは、例えば紺屋町の番屋をまちの交流拠点とするなど、現代にあった形でよみがえらせる試行錯誤を繰り返して来ました。
 今回は、景観重要建造物として指定されながらも未だ十分に利活用されていない「武田邸」の利活用に向け、まずは皆さんに知っていただくため、美観の回復のためのクラウドファンディングに挑戦します。
 盛岡は、ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52か所」に選ばれ、世界のひとびとが訪れる都市となりましたが、記事に掲載されている素敵なスポットだけでなく、その背景となっている盛岡固有の景観も同時に称えられたのだということを、ここに暮らす我々は知っています。
 先人の残した盛岡固有の景観を、まちの記憶として次世代に伝えていく挑戦に、ご協力を賜れれば幸いです。」
 
■盛岡市教育委員会事務局 歴史文化課長 遠藤 征司のコメント
 盛岡市では市の出身、あるいはゆかりがあり、功績のある先人130人を顕彰する「盛岡市先人記念館」を設置し、当該施設や学校教育をはじめとする場で、先人を知り、学ぶ「先人教育」に取り組んでいます。原敬は「平民宰相」として、日本の政治史に大きな足跡を残した人物であり、石川啄木や米内光政と並んで顕彰されています。
 この記念館からほど近い場所にある「原敬生家」は茅葺屋根の建物であり、将来に適切に引継いでいかなければならないものとして、市の有形文化財に指定されています。茅葺屋根は時代の流れとともに次第にその姿を減らしていき、現在盛岡市内では、この原敬生家を含め数えるほどしか残っていません。屋内の建具の様々な意匠などからも、当時の武士階級の生活の様子も垣間見ることができます。
 また、原敬生家は展示施設として保存されているだけではなく、様々なイベント会場として活用され、訪れる人が実際に歴史の一部を体験できる、歴史上の偉人の体験を共有することができる、大変貴重な建物です。毎年、市内外から多くの方々に訪問いただき、生家に隣接して昭和33年に建てられた記念館と共に、長きに渡り市民に愛される施設となっています。
 一方で茅葺屋根の維持・補修は、手掛けられる職人や茅材などが地元で手配できなくなってきており、貴重な技術を持った職人さんや一部の材料は市外に頼らざるを得ません。そのための維持経費も大きく、厳しい経済状況の下、人口減少が進みつつある地方の自治体では、教育や福祉、経済や観光などの様々な課題への対応が求められ、歴史的な文化財への保護に確保できる財源にも限りがあり、修繕が老朽化等に追い付いけていない状況となっています。
 今回は、このような地方に存在する貴重な文化財の存在、その保存と活用における現状や課題について、このGCFプロジェクトを通じてより多くの皆さんに知っていただき、ご協力をいただきたいものです。いただいた寄付を茅葺の修繕等を行わせていただくことにより、引き続き先人教育の場やイベントにおいて、皆さんに様々な体験を提供できる文化財として活用し、またぜひ盛岡に足を運んで活用していただきたいと思っております。ご理解とご協力をお願いいたします。
 
 
■使い道に共感しふるさと納税を利用して行うクラウドファンディング
 GCF®は、“使い道”から寄付を募るふるさと納税のクラウドファンディングです。自治体は地域課題と解決策を広く発信し、共感を得ることで寄付を集めます。寄付者が地域課題を知るきっかけになるとともに、より具体的な寄付金の使い道を選択することができます。プロジェクトを応援する気持ちで寄付するため、地域に継続して関心を持つことにつながります。
 地域のファンを創出し、地域の関係・交流人口を増やす効果も期待されます。
 GCF®は、2013年9月にトラストバンクが提供した仕組みです。プロジェクト数や活用自治体数も年々増加しており、2025年8月時点で寄付総額226 億円を突破し、約3,960プロジェクトが実施されました。
※ガバメントクラウドファンディング®およびGCF®は、株式会社トラストバンクの登録商標です
 
 
□■ プロジェクトの概要 ■□
 
プロジェクト①
プロジェクト名: まちの記憶を次代に継承していきたい!武田邸等修繕プロジェクト
寄付受付サイト: ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング®」(運営:株式会社トラストバンク)
目標金額:830万円
募集期間: 2025年9月16日~2025年12月14日(90日間)
寄付金の使い道: 景観重要建造物「武田邸」の失われた美観の回復
プロジェクトURL: https://www.furusato-tax.jp/gcf/4398
 
プロジェクト②
プロジェクト名: 170年以上受け継がれてきた、原敬が生まれ育った家「原敬生家」を守りたい!! 文化財・原敬生家の茅葺屋根等修繕プロジェクト
寄付受付サイト: ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング®」(運営:株式会社トラストバンク)
目標金額:700万円
募集期間: 2025年9月16日~2025年12月14日(90日間)
寄付金の使い道: 茅葺屋根修繕(西側)
プロジェクトURL: https://www.furusato-tax.jp/gcf/4396

※ 募集期間は、延長の場合がございます。
 
岩手県盛岡市https://www.city.morioka.iwate.jp/
ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)に「2023年に行くべき52か所」の2番目に選ばれた盛岡市。
盛岡市は東京から新幹線で約2時間の北東北の玄関口です。戦国時代に築城された盛岡城の城下町の雰囲気が残り、東京駅の設計でも有名な辰野金吾氏が設計した、「岩手銀行赤レンガ館」をはじめとする大正から昭和初期時代の和洋折衷の建物が中心市街地に点在する、歩いて楽しめるまちです。
おもてなしや市民のソウルフードとして生まれた「わんこそば」、「盛岡冷麺」、「盛岡じゃじゃ麺」は盛岡三大麺として観光客にも人気でお土産、返礼品の定番商品です。また、日本代表のトップアスリートが使用したことで注目の「南部鉄器」も盛岡市の特産品です。さらに、お米やりんごなどの農産物に日本酒やクラフトビールなどの地酒も盛岡ブランド品に認定されています。
 
ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)とは( https://www.furusato-tax.jp/gcf/  )
2013年9月にトラストバンクが提供したクラウドファンディング型でふるさと納税を募る仕組み。自治体が
プロジェクトオーナーとなり、地域課題に対する具体的な解決策、必要な寄付金と使い道、寄付金を集める期間などを提示して広く資金を調達する。寄付者は自らの意思で寄付金の使い道を選ぶことができる。「2019年度グッドデザイン賞」を受賞。
 

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